人気ブログランキング | 話題のタグを見る

如水レポ。

如水レポの原稿。
自分最大限当たり障りのないよう、書いたつもり。
当たり障りない、って、詰まんない文章になるもんだね。
(って、私の力不足か・・・^^;)

日本のみなさま、いかがお過ごしでしょうか?オランダは5月まで永遠続いた、鬱々とした天気からやっと解放され、そして私はテストからやっと解放され、すがすがしい、カラッとした夏を迎えています。
 私の住むロッテルダムはオランダ一の近代的な都市、また、ユーロポートを擁す港町、というだけあって、沢山の移民、というよりは、見た目の全く違う人々が多く通りを行き交い、街に住んでいます。おかげで、東洋人風の私が街に出ても、一向に目立つ、ということがありません。といっても、これはヨーロッパの大きな都市ならばどこにでも共通のことのようです。ちなみに、オランダの3大都市、アムステルダム、デンハーグ、ロッテルダムにおいては、移民が人口の半数に迫る勢いだということです。最初のうちは、コレに大変面食らいました。
 さて、オランダのキャンパスライフについてですが、私の受けた大まかな印象は、日本とあまり変わらない、というものです。確かに全て英語、また、私が取っている授業がほぼ全て修士レベル、ということもあって、予習、復習にかかる時間は断然こちらのほうが多くなります。しかし、オランダ人の学生はそれぞれの自分にあったスタイルで、授業を選択している、といった印象です。こちらでは修士を取るのが当たり前、ということもあり、修士であっても、ものすごく勤勉な学生とそうでもない学生が共存しています。また、授業中も皆、予想外におとなしく、当初の「みんな発言に積極的だったらどうしよう」という私の不安も杞憂に終わりました。
 私個人としては、オランダの労働政策、とくにワークシェアリングについての研究を目的に日本を飛び立ちました。そしてその「労働」といった観点から私が受けたオランダの印象は、人々が「働かない」というものです。平日は18:00にほとんどの商店が閉店します。日曜日は市の中心部以外、店は開きません。そして現在は夏のバケーションシーズン。一週間、二週間、時には一ヶ月、という単位でみんなオランダを離れ、他の国へと消えてしまいます。果たしてこれで経済が成り立つのか?という疑問ですが、実際、成り立っているのです。最近授業で読んだレポートですが、オランダ人の労働生産性は日本より高く、またアメリカと肩を並べるほどです。しかしながらオランダは、確かにアメリカなどに比べれば、豊かさの指標である一人当たり国民生産量は劣ります。当たり前のことですが、彼らはその分、働いていないのです。ここからは私の勝手な考察ですが、オランダは「働かない」という選択をしているのではないか、と思います。確かにそれによって手元に残るお金や、モノ自体は減るでしょう。しかし、それでも、「時間」は手元に残ります。私も最初の頃はこのペースに合わせるのに苦労しました。ですが、「働かない」「何もしない」「店は開かない」というのも、選択の一つ。それに合わせることも不可能ではないのです。個人的なことですが、私は日本にいたころ、「働かなければ」「何かしなければ」という焦り、というか、思い込みに取り憑かれていたように思います。ですが、オランダでは意外に、何もしない、という態度でいても社会は平然と動いているのです。何かすることだけが選択なのではなく、何かしない、ということも選択なのではないか、と思います。そしてそれが社会的に受け入れられるならば、以外にみんな働かなくても、何とかやっていけるのではないかと思います。確かに少々、というか、だいぶ、不便ではありますが、代償の代わりに受け取る時間も、また大きいのだと思います。
 以上は私の勝手な印象ではありますが、休日、家族連れやカップル、または犬を連れて、公園での~んびり散歩をしたり、サイクリングしている大量のオランダ人を見るたび、そんな風に思わずにはいられないのです。彼らは、余暇、ということにただならぬ価値を見出しているのではないでしょうか。
by kame_pcaddress | 2006-07-12 07:12
<< SOS。 I believe in you. >>